一周忌・・・追悼の旅③
１２月９日（月）
朝から雪。車いすでは外に出られないので、仕事は自宅待機。
なんか、朝から眠くて体もだるいし、使い物にならないので、自宅待機になってラッキーだった。
昨夜、日記を書いたあとで、自然堂のｂｂｓに行って、なんとなく不協和音を感じて、それで気持ちがザワザワした。
その感じは、今も続いている。
★自然堂さんからのレス（８日）
どうなんでしょう。
どんな他の１人にであれ、「生きる希望の象徴」たりえたということ以上に、誇らしいことがあるでしょうか。
本当に「生きる希望」を分かち合えたのだとすれば、そのときどうして「死への不安」をも共有していなかったといえるでしょうか。
・・・僕も早くそういう人間になりたいな。
★掲示板へのコメント（８日）
>どうなんでしょう。
ありゃ、めずらしく不協和音(^^;)
>本当に「生きる希望」を分かち合えたのだとすれば、そのときどうして「死への不安」をも共有していなかったといえるでしょうか。
互いに「死の不安」に巻き込まれそうだったから、あえて口にできなかったような気がします。少なくとも、表層意識では。
臨終のとき、彼の妹は、「にいちゃん、１００点満点の人生だったよ」って、いって見送ったんだ。
あのとき私は、「逝っちゃいやだ」としか思えなかったから、とてもそんな言葉を言えなかった。その後もずっと、「私にこんな悲しい思いをさせている彼に、１００点満点なんかあげられない」って思ってた。
でも、ああいう言葉を言えた彼女ってスゴイって、いまは心から思っています。
そしてそんな妹だったからこそ、「俺って、死んだらどうなるだろう？」って、彼は聞けたんだろうなって思います。私には決して言わなかったけど。
あの頃の自分を卑下するつもりはありません。
人にはそれぞれのペースで、気づきのときがあるのだから。
でも、今は、もっとキャパの広い人間になりたいなって思っています。
そして、肉体を失ってからもなお、私にいろいろ語りかけて、いろんなことに気づかせてくれている彼に、いまはとっても感謝しているよ。
昨日私が気づいたことは、けっこう大切なことだっていう気がしている。
ただ、掲示板では、私の言いたいことが、うまく伝わっていないというもどかしさを感じる。
おっちゃんの余命が予測できなかったからこそ、少ない日数をいっしょに過ごし、「明日への希望」を持ち続けたこと。これは、すべてに於いて「必然」だったような気がする。私の体調、仕事、死生観の限界、それらの条件すべての中で、私自身が作り出したものといえる。なんか、「もっとそばにいたかった」とか後悔する余地がないほど、ストンと自分の中に「落ちた」感覚だ。
それと、「生きていさえすれば、幸せに、ポジティブになれる」という感覚への揺らぎ。「肉体の生死」を越えて、生命はポジティブで、幸せに満ちたものだという直感のようなもの。
「肉体の生と死」の背後に、もっと大きな何かがあるという感覚。
この感覚を薄れさせたくない。
生と死を越えて、あらゆるものが楽しく、幸せな「気」に満ちているという感覚を、もっともっとしっかりと自分のものにしたい。
私の心の奥に感じているおっちゃんといっしょの時のうれしさ、ワクワク感は、今は私の心の深いところに、それでも広々とした雲海として見ることができる。
本当は、この雲海は私の肉体の中に小さく収まっているものじゃなくて、肉体を越えて宇宙全体に広がっているもののはずだ。
肉体は生きていようと、死んでいようと、このワクワク感はずっとあり続けるのだと思う。
カルテ開示はすごいショック療法だったけど、病院生活における「私のいっしょのときのおっちゃん」だけでなく、「それ以外の時のおっちゃん」を知ることで、なんか「全体」が見えたような気がする。
私のいた位置、価値観を超えて、もっと大きな意識があるってことが、急に開けてきたような気がする。
ゆっくりと、大切に味わっていきたい。
★掲示板へのコメント（９日）
今日は、関東甲信越地方は朝から雪。
私にとっては、急に仕事が「自宅待機」となって、体と心を休められる「恵みの雪」となりました。
一昨日あたりから、自分の中ですごくいろいろなこと、きっとすご～く大切なこと、を次々と感じちゃって、ワクワクしています。
ゆ～っくり味わって、いつか言葉になったら、また来るね。
私の混乱につきあってくださって、ありがとう。
やっと「追悼旅行」の混乱から、そしてカゼからも抜け出せそうです(^o^)
夜、ふと心に浮かんだ。
宇宙生命って、きっとキラキラわくわくしたエネルギーのかたまりなんだよね。
そのエネルギーが、相対的な世界を経験したくてできたのが、肉体だったり、自我だったりするんだろうな。だから、肉体や自我は宇宙エネルギーの部分的な現れで、だから形を変えることはあっても、「死ぬ」ことはないんだ。
肉体と自我が形を変えて宇宙エネルギーに溶け込んだとき、私たちの自我から見ると「死」になるんだろうと思う。私たちの自我にとっては、「なくなった」ようにしか見えないから。でも、本当は「なくなった」んじゃなくて、宇宙のエネルギーに溶け込んで「ひとつになった」だけなんだよね、きっと。
これって、すごい発見！！
無＝舞
１２月１７日（火） 晴れ
最近、ちょっと疲れている。
カゼをぶり返したり、ピークフローもイエローになったりと、なかなか落ち着かない。
心のケアに気を取られて、体のコントロールがちょっとないがしろ気味。
心が落ち着いたのなら、体のコントロールも、意識的にしなくちゃ。
身体、精神、魂の調和がとれてこそ、「いい人生」をできるのだろうから。
今日は、自然堂さんのマッサージの日。
マッサージをしながら、最近感じていたことを、いろいろと話した。
おっちゃんとの最後の関わりは、あのときの私たちにとっては、必然で完璧な形だったと思うこと。
でも、もし私が生と死の向こう側にある、生命の源のエネルギーをしっかりと感じられて、きちんと人に伝えられるようになれれば、もっとちがう関わりを持てるようになるかもしれないこと。
でも、それができなかったからといって、あのときの自分が完璧でなかったわけでなくて、「あれはあれ」と感じられていること。
でも、もっともっと、ほかの選択肢もあるような気がしていること、等々。
「人間って、死んだら『無』になるって言うけど、なんか、そんな気がしない。生命の源って言うのか、宇宙生命って言うのかわからないけど、もっといきいきとした、キラキラとしたエネルギーにもどっていくような、そんな感じがするんだ」という話をしたら、
「『無』という字は、元々は『舞』という字が変化してできたものなんだよ」と自然堂さん。
「へー、そうなんだ？ それっておもしろいね」と私。
今日は、言葉にするのが難しくて掲示板で書けなかったことを、たくさんしゃべって、しっかりと受け止めてもらえたようで、すごく嬉しかった。
掲示板での不協和音は、しっかり解消しちゃったよ。
★掲示板へのコメント（１７日）
こんにちわ♪
今日も、マッサージの時にいろいろ話ができて嬉しかったです。
でも、心の中の感じを言葉にのせるのって、ホント、むずかしい(^^;)
「無」という文字は、「舞」の変化したものっていう自然堂さんのお話、すっごく印象に残りました。「彼岸」（というより、「生命の源」）のイメージは、やっぱり「無」よりも「舞」の方がピタッとくるよ。
宇宙のエネルギーは、私たちの周りや私たちの中で、やさしく、力強く、舞っているんだよね、きっと。
★自然堂さんのレス（１７日）
そうだね。
だからこそきっと…
「彼岸」は「此岸」でもあるし
「此岸」は「彼岸」でもあるんだよね。
そのかすかな間隙に、
つまり一瞬一瞬の「今・ここ」に、
「無」が、
「有」の対立物でなく「舞」としての「無」が、
やさしく、力強く、踊っているんだ。
「静」である「動」が、「動」である「静」が、
「生」である「死」が、「死」である「生」が、
静かに、激しく、踊っているんだ。
そんな「今・ここ」が僕らの生きる場所。
あ―ことばにすると、ホントまわりくどいっ!!
つづく